天体(http://ten-tai.com/)は関西を中心に活動する2人組の音楽ユニット。2014年に大阪で結成され、以来自身がイベントを企画するなど積極的に様々な場所でライブ活動を続けている。メンバーはこれまで胡弓(二胡)奏者向井千恵らと結成した即興バンドamabeys!での活動や自身での即興演奏活動で知られているギター奏者の松本智仁と、クリエイティブレーベル”’dear Air”を主宰し、映糸、Mujika Easel、Lavender Pillowなどの活動で知られる辰巳加奈。2人はこれまでライブで共演したり、松本は2013年に辰巳を中心に結成されたアコースティック・ギターを中心とした音楽グループLavender Pillowにもギターで参加するなど、共演歴の長い2人によるコンセプチュアルな音楽ユニットになっている。普段即興演奏をしている松本が楽曲を作曲し、その楽曲を松本のギターと辰巳のピアノというシンプルな構成で演奏するということがユニットの1つの特色となっていて、松本が作る静かで無音を多く取り込んだ深い時間の流れを感じさせる長尺の楽曲にMujika Easelを彷彿とさせる辰巳のピアノが絡み合うことで作り上げられる独特の世界観はこれまでの両者がそれぞれ積み上げてきた音楽活動の1つの道程標になっていると言えるだろう。天体の音源はユニットのSoundcloudページ(https://soundcloud.com/tentai-1)からいくつかデモ音源を聴くことができる他、2016年2月にはletter recordsから1stアルバム『voyage(http://ten-tai.com/voyage.html)』のリリースが予定されている。
そんな天体にお話を聞いてみました。
編集部:このたびはインタビューに応じてくださりありがとうございます。
まず初めに天体を結成したきっかけをお聞きしたいのですが。
松本:結成前は二人で全然違う事をしていました。そしたら、辰巳さんが確か「松本くんが曲を書いたら良いのが出来そう」って言ってくれて「ほんだら作ってみよう」と思って作ったら曲が出来て、「ああ良いねえ」って辰巳さんも言ってくれたので、一緒にバンドをやって下さいって頼みました。その前から僕は曲を作りたいと思ってて。ていう流れかな。ずっと即興演奏をやっていたので反動みたいな感じです。
辰巳:えーそうやったん、自分がそんな事言ったこと忘れてたわ。
松本:そうなんや、知ってると思ってた。
あと今まで即興でライブばっかりやってたから、作り込む事をしたかった。なので天体ではライブ活動はあまり考えていなくて、作曲とリリースに専念したいんです。
編集部:あー、なんかそういうのって辰巳さんぽいですね(笑
松本くんのソロを聴いた時に即興的でもあり構成してる感じもあって、
その中間かなーという印象があって、
もちろんMujika Easelとしての辰巳さんの音楽も聴いていた先入観で、
これらの楽曲がキチンと作曲されている事もなかなかに衝撃的でした。
そういえば聴けば聴くほど天体の楽曲って整ってるんですよね。
また、即興の経験がかなり培われている印象も同時に受けます。
天体はこれまでライブ中心で活動していて、
これからは作曲とリリースに専念したいとの事ですが、
このタイミングで天体の音楽を音源化しようとしたのは何故ですか?
松本:これまでもdemo音源はsoundcloudにアップしていて、ちゃんと作品としてリリースしたいと考え、今回の『voyage』ではなくて、歌ものを録音しようとしていたのですが、なかなか思うように進まなくて。
辰巳:そうなんです、それでもっと前に作っていた「voyage」のピアノ曲を私はとても気に入っていて、これならすぐ録音出来ると思い、先に録音する事にしました。曲は他にもたくさん在るんですよ。演奏するのが追いつかない程に。
編集部:なるほど…!
このタイミングで、というよりも、
これなら、という感じだった訳ですね…!
しかもまだまだ曲がたくさんあって録音を控えている。
むしろこれからの始まりを予感させられてアルバムへの印象がかなり変わった気がします。
以前、ライブで演奏されていた「歌もの」が何故かずっと印象的で心に残っていて、
是非それも音源化される日が来る事をいちファンとして心待ちにしております。
天体の音楽を言葉で説明するならどのように表現しますか?
松本:むずかしいなぁ。
辰巳:他の人から言われるのは、「天体」の音楽を聴くとフラットな状態になれるとか、時間の感覚が変わるとかですかね。
松本:結構間合いとかに今回こだわったかな。僕は演奏してないけど(笑)
辰巳:フラットになれるというのは私自身演奏をしていてよくわかります。音楽なのですが、まず全体的に静寂がベースになっていて、そこにひとつひとつゆっくりと音を落として行きます。テンポが音楽としては有り得ないくらいとても遅く、最初の音と次の音の間がとても空いています。その最初の音と次の音の間は何も無いのではなくて、残響があります。次の音までの時間が長いので演奏者の私自身もその減衰してゆく残響を聴きます。それを聴いているうちに呼吸が合って来ます。とてもゆったりとした現実ではなかなか体感出来ない時間なんですが、それで心身共に何も無い、ただ響きと共に在る様な感覚になっていくんです。他の人は違うかもしれませんが。
松本:あと、コンセプチュアルだとか現代アートに近いだとかたまに言われる事あるんですけど、全然そういうつもりはないです。普通にロックバンドをやる感じでやっています。笑
編集部:ロックバンドいいですね(笑
たしかに天体ってバンドっぽいというか、
それがジャンルに捉われていないだけで、
編集部でも天体へのインタビューを考える際に此処が議論の的になりました。
辰巳さんにお答えしていただいた感じで表現者としてのとても貴重な断片というのが、
実はインタビュワーとして読者に一番伝えたい言葉でもあり、
読者に伝わるのは松本くんの「ロックバンド」という表現が一番近いように感じております。
その間にあるラグというか空白の部分こそが、
音楽としての「天体」を捉える上で大切なヒントになるのかなーと思ってもいて、
今回、その2つともを回答として伝えてくださり感謝いたします。
今回の新しいアルバムジャケットについて、とても拘った仕上がりとなっていますが、
そのこだわりについてお聞かせください。
松本:ジャケットは36種類在ります。絵は自分たちで描きました。帯は活版印刷です。紙も同じ白でも色味や質感で選びました。その他、文字のデザイン等もfengfeeldesign(http://www.fengfeeldesign.org)の阪口さんにお願いし、自分たちも細かい所まで一緒に相談させてもらいました。組み立て等手作業も自分たちでやりました。300部限定です。
編集部:その節はありがとうございました。
作業の質に差がある訳ではありませんが、
研ぎ澄ましという意味で他の仕事とはまた違った仕上がりになったように思います。
なによりも凄く楽しく最後まで作業が出来ました。
印象として自分たちの作るものに手の先から足の先まで責任を持って携わっている姿勢は、
分野は違うものの共感出来るものがたくさんありました。
これから初めて、天体を聴く人にメッセージなどありましたら
松本:気長に聴いて下さい。
辰巳:是非一度聴いてみて下さい。
編集部:ですねですね、是非聴いて欲しいです。
最後に、お好きなお酒と出来ればその銘柄などありましたら教えてください。
松本:何でも好きです。笑
辰巳:あまり飲まないですね。笑
編集部:松本くんといつか呑みに行きたい(笑
ありがとうございました。
「天体」いかがでしたでしょうか。
「天体」を聴くコツはインタビューにもありましたが、
その「天体」として完成されたものと、
私たちがシンプルに理解出来る範囲のラグみたいなものを「表現」として楽しむ所にあるように思います。
これから表現者がリスナーに近寄るのか、
リスナーが表現者に近寄っていくのかで、
その像として表される音に変化が生じるように感じている反面、
「バンド」としての彼らを楽しむ事が出来たらなーと思っています。
『voyageリリースツアー』
【東京】2016年3月19日(土)会場:立川gallery SEPTIMA
【広島】2016年3月27日(日)会場:未定※判明次第告知いたします
【大阪】2016年4月10日(日)会場:中崎町創徳庵
また、メンバーの辰巳加奈こと、Mujika Easelの3rdアルバム『眺め』が自身のレーベル、dear Airから12/1に発売されている。アルバムはレーベルのオフィシャルサイトのshopページから購入できる他、タワーレコードなどの店頭販売でも取り扱っている。また以下の日程で東京・大阪のレコ発公演が予定されている。
東京:
2016/3/20(日)
会場 本郷 求道会館
開場 15:00 開演 15:30
前売り:2,500円 当日: 3,000円
大阪:
2016/4/2(土)
会場 岸和田 白泉会館
開場 18:30 開演 19:00
前売り:2,000円 当日: 2,500円
サポート出演メンバー:秦進一(ヴァイオリン、ヴィオラ)金津朋幸(サックス)上西功修(ギター)松本智仁(ギター)前田洋二(ウッドベース)原口裕司(ドラム)
*両公演とも文化財建築のため飲食禁止
予約・問い合わせ/dear Air
090-7105-1087
hello-world@dear-air.com
www.dear-air.com
インタビュアー:fengfeeldesign(http://www.fengfeeldesign.org)
ライター:青のりしめじ(http://www.aonorishimeji.com)





















































